映画『花まんま』前田哲監督に聞く、俳優・鈴木亮平の魅力

エンタメ
2025.05.04

早くに両親を亡くし2人で生きてきた兄妹の絆と不思議な体験を描いた映画『花まんま』。前田哲監督に主人公・加藤俊樹を演じた俳優・鈴木亮平さんの魅力を伺いました。

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INDEX

    前田哲監督に聞く、俳優・鈴木亮平の魅力。

    ――『花まんま』の映画化は、17年前に試みたものの叶わず、時を経て念願の公開となったそうですね。

    原作者の朱川湊人さんからありがたいご縁をいただき、彼が紡いでくださった物語を映画化したいと、勝手ながら抱いていた“使命”みたいなものを果たせたようで安堵しています。キャストやスタッフと作り上げた今作を、どのように観客のみなさんに育てていただけるのか、不安でもあり楽しみでもあります。

    ――原作のどのような点に強く惹かれたのでしょうか。

    見知らぬ誰かを救うため、小さな兄と妹は冒険の旅に出ますが、そこに損得勘定などはない。無垢であり純粋な二人の気持ちに突き動かされ、誰かの心に寄り添うという魅力が、この物語にはあると思います。

    ――主演に鈴木亮平さんを選ばれた理由は?

    キャストは関西弁をネイティブに話せて、かつスターの方にお願いしたいと考えていました。そして亮平さん以外には考えられず、選んだというよりは“選ばされた”感じです。17年という年月は、僕が亮平さんと出会うための時間だったのでは? という運命みたいなものを感じています。

    ――俳優・鈴木亮平の魅力とは?

    誰に対しても平等で、ピュアで正直な方。そして作品ごとに進化と成長をされ、今後は世界に羽ばたいていくのでは? ああ、メジャーリーグに行くのか…という寂しさはありますが、彼に出会えたことは宝物。ありがとう、鈴木亮平さん! って感じかな(笑)。

    PROFILE プロフィール

    前田哲

    まえだ・てつ 大阪府出身の映画監督・脚本家。撮影所で大道具や美術助手を経て助監督となり、伊丹十三、滝田洋二郎、周防正行らの監督作品に携わる。代表作は『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『九十歳。何がめでたい』ほか。

    INFORMATION インフォメーション

    『花まんま』

    早くに両親を亡くし、親代わりに妹・フミ子(有村架純)を育ててきた兄・俊樹(鈴木亮平)。地元や職場の仲間と笑いに包まれた穏やかな日々を送る中、フミ子が結婚することに。ところが、フミ子には俊樹の知らない秘密が…。原作は朱川湊人による直木賞受賞作。全国公開中。Ⓒ2025「花まんま」製作委員会

    ジャパンエンタメを牽引する俳優、鈴木亮平を知る4作。

    日本のエンタメ界を代表する俳優である鈴木さん。数多くの出演作の中から、その多彩な魅力に出合える4作をピックアップ。

    妥協なしで臨んだ冴羽獠役で夢を叶える。Netflix映画『シティーハンター』
    北条司による同名漫画を実写化した映画で、2024年Netflixにて世界独占配信。小学生の頃からの原作ファンで「役者の道に進んでからは、冴羽獠を演じることが夢の一つだった」と語るように、自身の俳優人生における重要な作品。見た目や声色、動きだけではなく、冴羽獠のキャラクターを研究しつくした芝居は、原作ファンをうならせるほどの仕上がりで大きな話題に。独占配信中。Ⓒ北条司/コアミックス 1985

    国内外で受賞。自身の新境地を開拓した映画。『エゴイスト』
    高山真の自伝的小説『エゴイスト』を、ドキュメンタリータッチの映像で映画化、2023年に公開された。鈴木さんが演じたのは主人公の斉藤浩輔。恋人・中村龍太役の宮沢氷魚さんを相手に、強さと脆さを内包した生々しい芝居を見せ、日本アカデミー賞の優秀主演男優賞やニューヨークで開かれたニューヨーク・アジアン映画祭のライジングスター・アジア賞ほか数々の賞を受賞した。Ⓒ2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

    絶対的主人公の喜多見を演じ人気シリーズに! 『TOKYO MER~走る緊急救命室~』シリーズ
    2021年に連続ドラマが放送され、’23年に劇場版1作目、8月1日には劇場版2作目が公開予定の人気シリーズ。紛争地などで医療に従事した経験から物おじしない度胸を持ち、決して諦めない救命救急医・喜多見幸太を演じた。オペの腕前に長ける喜多見のペルソナを、自身の役者経験やさまざまな情報を得て作り上げた。Blu-ray&DVDが好評発売中。発売元:TBS、販売元:TCエンタテインメントⒸ2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会

    秘めたる色気を発揮し新たな魅力を見せる。『エルピス―希望、あるいは災い―』
    スキャンダルで落ち目となったアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)が冤罪疑惑を追う2022年放送の社会派テレビドラマ。鈴木さんが演じたのは、恵那の元カレでスキャンダルの相手でもある報道局のエース記者・斎藤正一。裏の顔を匂わせながらも、肉体派とは違う大人の男の色気を纏い、視聴者を惹きつけた。Blu-ray&DVD発売中。販売元:ハピネット・メディアマーケティングⒸカンテレ

    取材、文・若山あや

    anan2445号(2025年4月30日発売)より

    MAGAZINE マガジン

    No.2445掲載2025年04月30日発売

    ジャパンエンタメの現在地 2025

    日本が誇る最前線のエンターテインメントの形を深掘り。高橋一生さん、鈴木亮平さん、土屋太鳳さん、柚香光さん、草彅剛さんなど人気・実力を兼ね備えた俳優陣から、ミュージシャンの羊文学、小説家の安堂ホセさん、脚本家の吉田恵里香さんなど注目作のクリエイターたち、ジャパンアイドルの最新形・CUTIE STREETの板倉可奈さん&増田彩乃さん&川本笑瑠さんまで、超豪華ラインナップです。CLOSE UPには、timeleszの原嘉孝さんが新メンバー連続登場企画の第1弾として登場。

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