ローマのハイジュエラー、ブルガリの展覧会が、10年ぶりに日本で開催中だ。「美」と「形」を意味するギリシャ語が由来の「カレイドス」というタイトル通り、本展は色彩と創造性がテーマ。約350点のジュエリーを通して、イタリアと日本の文化的繋がりにも注目する。


色彩と文化が織りなす、万華鏡のようなジュエリー展

ブルガリのジュエリーの特徴は、圧倒的な色彩の美しさにある。1950年代、ハイジュエリーといえばプラチナを用いた単色が一般的だった時代に、ブルガリはイエローゴールドにサファイア、ルビー、エメラルドとダイヤモンドを合わせるなど大胆なコンビネーションを開拓。また、当時はあまり使われていなかったアメシスト、シトリン、ターコイズなども取り入れ、鮮やかな色彩で他にはない宝飾品の美を追求した。

会場では、第1章で色彩の効果に着目し、シトリンのブレスレットなどを紹介。第2章では、色彩の文化・象徴に着目し、蛇に秘められた力強さとエレガンスに着想した「セルペンティ」のネックレスやダイヤモンドと7つのエメラルドを組み合わせた傑作ネックレス「セブン・ワンダーズ」も展示する。

なかでも第3章「光のパワー」に登場する、色石をふんだんに使ったネックレス《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》は本展最大の見どころ。またこの章では、光と色彩の作用を体感できる展示としてララ・ファヴァレット、森万里子、中山晃子の3名の女性アーティストが、没入型インスタレーションで、独自の色彩観を表現する。

本展の会場デザインは、日本の建築ユニット・SANAAとイタリアのフォルマファンタズマが共同制作。古代ローマのモザイク画や東京のイチョウの葉に着想を得た曲線が織りなすデザインは、もはや会場そのものが芸術だと思わせるほどだ。「ローマの美学」といわれるブルガリに魅了される本展。ジュエリーは単なる装飾品ではなく、色彩が持つ感情への影響や、時代背景、そしてイタリアの職人が持つ美意識が生み出した総合芸術であることを学べる、またとない機会だ。

《ブレスレット》ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド 1940年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

《ネックレス》プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド 1961年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

《バングル》ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド 1954-55年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド 1969年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

《「セルペンティ」イブニングバッグ》ホワイト、レッド、「シーウォーター」グリーンゴールド、シルクコード、ダイヤモンド 1978年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

Information

ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧

国立新美術館 企画展示室2E 東京都港区六本木7-22-2 開催中~12月15日(月)10時~18時(金・土曜は~20時。入場は閉館の30分前まで) 火曜(9/23は開館)、9/24休 一般2300円ほか TEL. 050-5541- 8600(ハローダイヤル)

取材、文・山田貴美子

anan 2464号(2025年9月24日発売)より
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No.2464掲載

応援の流儀

2025年09月24日発売

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