
物価高で不況感が強まる中、収入を上げるための副業や複業、転職を検討している人も多いのでは? それぞれのメリットやデメリットを知るとともに、収入アップの方法や補助金などの知識を専門家が解説!
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アドバイザー
Profile
長谷川裕
人事コンサルタント紳士服の販売を経て、人事へキャリアチェンジ。事業会社の人事・広報責任者を歴任しつつ、複業で新卒・中途採用、人事制度企画など人事コンサルティングをメインに活動中。ミドルシニア世代のキャリア支援にも明るい。
西山美紀
ファイナンシャルプランナー、ライター出版社を経て、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性の生き方、マネーなどをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。このページの4テーマすべての監修を担当。
Q1. 副業、複業、転職。まず何から検討すべき?
A. 一つの収入源に依存しない複業から検討してみては
今の収入を増やすための主な手段として挙げられる、副業、複業、転職。それぞれにどんな違いがあり、どれを選ぶのが正解か。「“副業”は本業のスキマ時間で小遣い稼ぎをする感覚で、自分のカラダと時間があればできる仕事。“複業”は、本業で得たスキルを活用した別の仕事を持つイメージで、AIの進化によりオンライン仕事も効率化しています。物価高が続くのに年収は変わらない状況から、副業や複業を認める会社は増加。2022年時点でこれらの選択をしている人は合計で300万人を超えているというデータもあり、また、転職をする人も増えています」(長谷川裕さん)。
20~30代の傾向としては「即時の収入アップよりも、将来的に自分の市場価値を上げられる経験が積めるかを重視する人が増えている」と言う。「同じ年収でも、一般事務×AI操作や接客×SNS運用といったスキルを持っていると、3~5年後の中期で見た時に年収が100万円以上変わるケースも。それを考えると、年収アップが確約されるわけではない転職やスキマバイトの副業より、スキルを活かせる複業がおすすめです」
複業の特徴
- 自分のスキルを活かして稼ぐ
- 複業で得たものを本業でも活かせる
- AIの活用で効率化が可能に
〈例〉SNS運用、Webライティング、動画編集、オンライン秘書etc
Q2. まずは副業を始めようと思うけど、どうやって選べばいい?
A. スキルを身につけられたり、将来に繋がるものを
まだスキルはないが、今より少しでも収入を増やすために副業から始める場合の仕事の選び方とは。「副業にはチラシ配りや試食販売など数時間からできる仕事も多く、気分転換になります。今の仕事のステップアップに繋げたいとか、違う業種に転職したいという希望があるなら、それに合ったものを選ぶといいでしょう。その場合、やりたいことと収入の高さが見合っていることがベストですが、低収入でもスキルを身につけられることを考えれば、一定期間ならいいのでは。やりたくないけど短期間で稼げる仕事の場合も、やはり期間を決めて。また、詐欺や未払いなどのトラブルを回避するために契約をしっかり確認し、本業に支障が出ない程度に行うこと。確定申告も忘れずにしましょう」(西山美紀さん)

Q3. 転職エージェントの選び方がわからない。
A. 2~3社に登録。いい担当者に出会えるかも成功のカギ
求職者と企業をマッチングさせる転職エージェントはたくさんあるが、選び方のコツを教えて! 「営業や事務、エンジニアまで幅広い職種を扱う大手から、不動産やIT、デザイナーなど業界を絞った“業種特化型”、年齢や収入などの“レイヤー特化型”もあります。やりたいことや属性が決まっているなら、その職種に強いところを選ぶといいでしょう」(長谷川さん)。求人数の多さはもちろんだが、担当者との相性も大事。「仕事をマッチングできなければ自分の売り上げにはならないため、基本的に親身になってくれますが、企業に対する年収アップの交渉力や面接対策の質などは担当者によります。年収アップ実績が高く、求人を押し売りしない、メリットだけではなくリスクの説明もしてくれるかなど、最初は2~3社を比較し、丁寧に寄り添ってくれる担当者が見つけられると、より理想的な転職が実現するでしょう」
総合的大手エージェント
- リクルートエージェント
- マイナビ転職エージェント
- doda
- エンエージェント
〈特徴〉
- 業種や職種の幅が広い
- レイヤー(年齢・年収帯)の幅が広い
- 求人数が多い
一定のレイヤーに特化したエージェント
- type女性の転職エージェント→女性向け
- JACリクルートメント→ハイレイヤー向け(希望年収600万円~など)
- ワークポート→若手向け
その他、特定の業種・職種に特化したエージェントもある
Q4. 転職先が決まるまでもらえる手当はある?
A. 条件に該当すれば“失業手当”や“傷病手当”がもらえます
キャリアアップのために転職を考えているが、仕事が決まるまで無収入になるのは不安。その期間を保障する手当はあるのか。「それまで雇用保険に入っていれば、ハローワークに申請することで“失業手当”と呼ばれる基本手当がもらえます」(西山さん)。これには、働けるけど仕事がない状態で、働ける前提の求職活動が必要。そのうえで、会社都合による退社は、待機期間7日間を経て支給されるが、自己都合による退社だとさらに給付制限期間が原則1か月ある。「また、年齢や被保険者期間により、支給日数に90~330日と幅があるので注意です。“傷病手当”はケガや病気で働けない状態で、給与が支払われない場合の生活保障として、健康保険から支給。妊娠・出産の場合は失業手当受給の期間延長ができますが、自己申告が必要なので覚えておきましょう」
Q5. 将来に向けて資格を取りたいのですが、補助金について教えて!
A. 厚生労働大臣指定の約1万7000講座で支給が受けられます
将来の収入増を考えて資格を取る場合、補助金が適用されることはある? 「教育訓練給付制度というものがあり、厚生労働大臣の指定を受けた講座が約1万7000講座あります。雇用保険の加入条件などを満たせば費用の補助が出ます。受給条件は正社員、契約社員や派遣、パート、アルバイトなど雇用形態によらず、雇用保険に加入している期間で決まります。教育訓練は、受講費用の最大80%が支給される、介護福祉士や看護師などの“専門実践教育訓練”、最大50%支給の、大型自動車第一種などの“特定一般教育訓練”、最大20%の支給の、TOEICや簿記検定、大学院などの課程を含む“一般教育訓練”の3種類に分けられます。詳しくは厚生労働省のHPで確認したり、ハローワークで相談してみましょう」(西山さん)
教育訓練の種類と給付率
専門実践教育訓練
〈対象講座の例〉
- 業務独占資格などの取得(介護福祉士、看護師、美容師、保育士、調理師など)
- デジタル関係の講座
- 大学院・大学等・高等専門学校などの課程
最大で受講費用の80%(年間上限64万円)
特定一般教育訓練
〈対象講座の例〉
- 業務独占資格などの取得(介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種・第二種免許など)
- デジタル関係の講座
- 大学等・専門学校の課程
最大で受講費用の50%(上限25万円)
一般教育訓練
〈対象講座の例〉
- 資格の取得(輸送・機械運転関係、税理士、社会保険労務士、Webクリエイター、TOEIC、簿記検定、宅地建物取引士など)
- 大学院(修士・博士)などの課程
受講費用の20%(上限10万円)
anan 2498号(2026年6月3日発売)より






























