
これから猫と暮らし始める人、いつかは猫と暮らしたい人へ。猫と生活するうえで基本となる7つの項目について、まずは押さえておくべきこと、必要な心構えをご紹介します。
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お話を伺った方
Profile
宮崎愛
みやざき・あい 獣医師。日本ヒルズ・コルゲート マーケティング本部所属。自宅ではチワワのチッチくん(4歳)と、保護猫のウタくん(6歳)、ハッチくん(4歳)と暮らす。
ルール 1|生活環境
猫が安心・安全に暮らせるようにあらかじめ対策をしましょう
猫は飼い主よりも長く、24時間ずっと家で過ごす。だからこそ、心地よく過ごせる住環境を整えるのは飼い主の使命。
「夏や冬の室温管理、落ち着ける場所に寝床をいくつか用意するなど、快適さの確保は大切。でも、意外と忘れがちですが、まず脱走対策をしてください」と、獣医師の宮崎愛さんは語る。
「猫は前脚を使って器用にドアや窓を開けることができます。玄関扉の手前に内扉を設置したり、窓には二重ロックやストッパーをつけるなどの対策は施しておきましょう」
そして、一緒に暮らし始めたら誤飲対策も欠かせない。
「好奇心旺盛な猫は、遊んでいるうちにいろんなものを口にします。植物や食べ物、小物、紐、ビニール袋など、人間にとっては身近で安全なものでも、猫には危ないものが数多く存在します。思わぬ誤飲や中毒につながる恐れがあるため、猫の手が届く場所に、危険なものは置かないように十分注意を」
また、猫を守るという意味では、事故や病気など飼い主自身の万が一に対しての備えもしておいてほしいと言う。
「猫のお世話を託す人を決めておき、緊急連絡先を記したものを財布などに入れて常時携帯してください」
ルール 2|ごはん
年齢に合った総合栄養食を理想体重に合わせた量で
通常、猫の主食となるのは“総合栄養食”のペットフード。
「“総合栄養食”は猫に必要な栄養がバランスよく配合されているもの。パッケージに明記されていますが、ドライフード、ウェットフード両方にあります。“間食”“副食”“栄養補助食”は、それだけでは必要な栄養が摂れないので気をつけて」
その上で、年齢に応じたフードを選んでほしいと言う。
「1歳未満の子猫と成猫、シニアでは、適切な栄養やカロリーが違います。ライフステージに合ったフード選びは、健康を守る上で大切。ちなみに、全年齢用フードは高い栄養が必要な子猫期の栄養基準を満たすように設計されています。成猫・シニア猫に与える場合はカロリーオーバーに気をつけましょう」
食事量はパッケージに書かれている体重に対する量を目安に。
「ただし、現体重ではなく、理想体重で見ること。個体差がありますが、1歳時の体重がその子のベストだといわれています」
また、時には違う形状、味のフードを試すのもおすすめとか。
「普段からドライ、ウェット、いろんな味に慣れておくと、病気や災害の備えにもなります。ただし、飽きてからのタイミングで変えると、食に対してわがままになりやすいので注意を」
ルール 3|運動
狩猟本能を刺激するおもちゃや上下運動でストレスを解消!
完全室内飼いの猫は運動不足になりがち。では、どんな運動をすればいいの?
「元来ハンターである猫が好むのは、狩猟本能をくすぐる遊び。おもちゃなどを使ってしっかり遊んであげると、ストレスも溜まりにくいはず。遊ぶ時間が取れない時は、知育トイなどを活用してもよいでしょう」
また、猫は長距離を走るよりも、ジャンプや上下運動のほうが得意。
「キャットタワーがあれば活用し、ない場合は家具の配置で高低差を作り運動を促して。でも、高齢になると足腰が弱くなるので遊び方には注意が必要です」
ルール 4|問題行動
しつけで直そうとするよりもされないように予防策を
ソファや壁で爪研ぎをしたり、電源コードを噛むなど。もし、愛猫が困ったクセを持っていたらどう対応すればいいの?
「叩くのは絶対にダメですし、大声で怒っても、さらにいたずらを助長することもあり逆効果。しつけは不可能ではありませんが、犬のようにルールを教えるのは難しいです。一番の対処法はカバーをつけるなど、飼い主さんが予防すること。噛みグセがある猫には、大騒ぎせずにダメと短く言って、しばらく遊ばない。噛むと楽しいことができなくなると根気よく覚えさせましょう」
ルール 5|トイレ
常に清潔さをキープして落ち着ける場所に
「トイレの数は頭数+1個が理想。常に清潔にしておいてください。そして、落ち着いて用を足せるように、人の出入りが少ない、静かな場所に設置を。猫砂は個体差はありますが、自然の砂や土に感触が近い小さな鉱物系を好む猫が多いです」
また、猫が突然、粗相した時には注意が必要。
「トイレに何か不満があるか、あるいは病気のサインであることも。猫はおしっこの疾患にかかりやすいので、きちんと様子を見ながら、ストレスはできる限り排除してください。心配な時は早めに動物病院に相談しましょう」
ルール 6|健康管理
普段からの愛猫観察と、獣医師との信頼関係が大事
「健康的な便やおしっこをしているか、食欲はあるか…。飼い主さんには、普段の愛猫の様子をきちんと観察してほしいですね。いつもの状態がきちんとわかっているからこそ、何か異変があった時に気づくことができますから」
さらに、スキンシップやブラッシングなどのケアも、健康管理には欠かせない時間だという。
「体を触った時に痛がったりしないか、何かしこりやできものがないかなどをチェックしてください」
また、信頼できるかかりつけ医の存在も重要。
「獣医師もその猫の健康な状態を知っていると変化に気づくことができ、対処もしやすくなるので、信頼できるドクターを見つけて、年に1回は健康診断を受けてもらいたいですね。かかりつけ医がいると、飼い主さんも気になることがあった時に相談しやすいですよね。また、ワクチンについて、うちの子は外に出ないから打たないという方もいますが、飼い主さんが外からウイルスなどを持ち込むこともあり、感染リスクはゼロではありません。愛猫の健康と安心を守るため、定期的なワクチン接種で病気を予防しましょう」
ルール 7|お金
猫と暮らすためには多少の金銭的な余裕も必要
そもそも猫と暮らすと、どれくらいのお金がかかるのか。
「フードが2000~5000円くらい、猫砂やトイレシートが1000~3000円くらい。おやつやおもちゃなどを買うと、1か月の猫の生活費は5000~1万5000円くらいになります」
病気やケガをすれば、1回数千~数万円の治療費がかかり、手術になるとさらにかさむ場合も。それをカバーするためにペット保険に加入すると、毎月1000~3000円くらいが必要に。
「保険の加入はもちろん任意ですが、猫の体調が気になる時に病院に連れていきやすくなりますし、加入しておくと安心です。猫と暮らすということは、楽しいだけでなく、金銭的な負担はそれなりにあります。でも途中で投げ出すわけにはいきませんので、迎える前にきちんと考慮してくださいね」
anan 2515号(2026年10月14日発売)より































