海乃美月「私という人間が役と向き合っている感覚」 宝塚歌劇団退団後、初の舞台出演

海乃美月さん

1930年代、世界恐慌などでアメリカが鬱屈していた時代に、犯罪者ながら世間を熱狂させた伝説のギャングカップル、クライド・バロウとボニー・パーカー。彼らの無軌道な生き様と愛を描いたミュージカル『ボニー&クライド』で、ファッションセンスや文才にも長け、高い人気を誇ったボニーを演じるのが海乃美月さん。


宝塚歌劇団退団後、初の舞台出演。「自由な発想で役と向き合っています」

「自己肯定感が高くて、周りを気にせず自分の思うがままに突き進む力強さとかエネルギーに魅力を感じます。ボニーは、今の人生を変えたいと思っていて、それを信じて諦めたりしない。演じながら私も若干そういうマインドに引っ張られている気がします(笑)」

クライドに対しては「言動が一致していて、我が道を突き進む姿が素敵」だと語る。扮するのは柿澤勇人さんと矢崎広さんのWキャスト。

「おふたりのクライドが全然違うタイプで、柿澤さんは一歩遅れたら置いていかれそうなくらい勢いがあるワイルドなクライドです。矢崎さんは、ちょっとひょうきんで愛嬌のあるキャラクターになっていると思います」

ボニーも桜井玲香さんとのWキャストになるが、史実に残っているボニー像を研究中だとか。

「クライドとボニーのふたりについて書かれた本を読んで、感覚みたいなものを近づけたいと思って稽古しています。玲香ちゃんは、雰囲気から実際のボニーのイメージに近くて魅力的で、こんなふうに会った人たちを魅了していたんだろうなと思わせる説得力がありますね」

宝塚歌劇団月組娘役トップスターを務めていた海乃さん。本作が退団後初の舞台となる。

「在団中は意識していませんでしたが、宝塚の娘役としてどうあるべきかが大前提にあったんですよね。でも今は、私という人間が役と向き合っている感覚です。気持ちのまま自由な発想で演じて、こんなこともやっていいんだって思う瞬間も。ただ幅が広がったぶん、自分という俳優の土台をしっかり作らなくてはとも感じています」

退団後数か月舞台から離れ、あらためて舞台が好きだと自覚した。

「退団後、モデルやイベントなどのお仕事もさせていただきながら、改めて舞台の魅力に気づきました。自分の感情や体を使って、役の人生を歩み、ときには自分の知らない感情に出合ったり、悩みをクリアしたときの達成感も好きなんです」

Profile

海乃美月さん

うみの・みつき 富山県出身。2011年に宝塚歌劇団に入団。ダンスの実力と実のある演技で、数々の舞台でヒロインを務める。’21年に月組トップ娘役に就任し昨年退団。

Information

ミュージカル『ボニー&クライド』

映画スターを夢見ながら、場末のカフェでウェイトレスとして働くボニー(桜井/海乃)は、脱獄したばかりの青年クライド(柿澤/矢崎)と出会い、恋に落ちる。車を盗み、強盗を繰り返す前代未聞のギャング・カップルの誕生に、世間は彼らを英雄視していくが…。3/10(月)~4/17(木) 日比谷・シアタークリエ 脚本/アイヴァン・メンチェル 歌詞/ドン・ブラック 音楽/フランク・ワイルドホーン 上演台本・演出/瀬戸山美咲 出演/柿澤勇人・矢崎広(Wキャスト)、桜井玲香・海乃美月(Wキャスト)、小西遼生、有沙瞳、吉田広大・太田将熙(Wキャスト)、霧矢大夢、鶴見辰吾 全席指定 平日1万3500円 土・日・祝日ほか1万4000円 東宝テレザーブ TEL:0570・00・7777(11:00~17:00) 大阪、福岡、愛知公演あり。

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写真・小笠原真紀 スタイリスト・宇田川純子 ヘア&メイク・小澤 桜(MAKEUPBOX) インタビュー、文・望月リサ

anan 2437号(2025年3月5日発売)より
Check!

No.2437掲載

今、わたしたちにできること。

2025年03月05日発売

特集は“いま、私たちにできること”。SDGsやエシカルという価値観が定着して久しいですが、自分レベルで実践できる地球にやさしい情報をアップデートしてお届けします。第2特集はフェムケア。CLOSE UPは笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。Travis Japanカレンダーへの道には川島如恵留さん、Aぇ! groupプレ連載には小島健さんが登場します。

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