2030年の社会に望むことは?

みんな平和でいようという誓いを改めて共有し、平和を作り、守ることに全力投球できたら。(堀)


多様な個々が“彩り”としてみんな受け入れられるような“彩度”の高い世の中になってほしいなと思います。(影山)

自分らしくいられる環境、社会を考えてみることから
SDGsは、2030年の目標達成を目指していますが、あと4年…オリンピック&ワールドカップ1回分なんて、あっという間ですよね?
現実的に4年後の実現は厳しいです。世界が分断され、国連も力を失って、SDGsを続けることも危うくなっています。そんな中ダボス会議でのカナダのカーニー首相の演説が注目されました。「世界秩序は断絶して、大国間の競争下にある。元には戻れない。我々中堅国家が連帯、協力し合って、持続可能な社会のために現実的に行動しよう」と述べたんです。
日本もその“中堅国家”の中に入っているのでしょうか?
はい。かつては大国と呼ばれた国々も、中堅国家として、協力し合う道を進めたらと思います。カーニー首相は「原則を持ちつつ、現実的であろう」と述べました。SDGsの17の開発目標は「原則」です。原則を理解した上で現実的にどう対処するべきか。
自戒の意味も込めてですが、「行動すること自体が、目的になっていませんか?」と思うことも。
原則に囚われすぎないようにというのは大事なポイントですね。例えば、トラックの運転手さんの時間外労働の規制が始まりましたが人材不足もあり、物流自体が回らなくなってしまうという問題に。
労働者を守るための規制は必要だけれど、物流をストップさせてはいけない。両方のバランスを見る必要があります。ニューヨーク州でも脱炭素、脱原発を掲げていましたが、エネルギー価格の高騰で生活が成り立たなくなり、原発に反対していた市民が原発稼働を求めるようになりました。
状況の変化に合わせて柔軟に対処しないと、本当のサステナブルにはならない?
そう思います。昔ならば不可能とされていたようなことが、テクノロジーや技術革新によって、乗り越えられた場合も。ジェンガのように、バランスが大切です。
大きな課題目標を見ると、大事だとは思うけれど、正直よくわからないなと距離をとってしまいたくなることもあります。その時に“自分らしさ”を問うのもいいのかもしれないですよね。身近なことから考えてみる。「女性の社会進出を応援したい」「貧困に悩む人たちを支援したい」など、自分は何に興味があるのか、自分らしくいられるのはどういう環境、社会なのかを考えてみる、とか。
世界はものすごい速さで変化していますし、大量の情報に翻弄されないよう、自分と対話をして、どんな社会を望むのか、できることを見出すのはいいですね。日本のSDGs達成度は、世界167か国のうちの19位(2025年時点)で、頑張ってきた国なんです。
日本にはライフラインが当たり前にありますし、99%以上の人が読み書きできます。世界的に見れば、そういう基盤があるということもSDGsの行動に移しやすいのかもしれませんね。
ゴミの分別やリサイクルも日本は定着しています。それらも健康保険や年金の制度、労働者を守る法律があるなど、基本的生活が守られていたからできていました。国力が落ちて、自分の生活もままならなくなるとSDGsどころではなくなってしまいますからね。
自分は知らなかった、気づけなかった問題にも気づけるように、相手の立場に立って、物事を客観的に多角的に見るようにして、SDGsの輪をこれからも広げていけたらと、改めて思いました。
世界で取材をしていると、「平和国家日本の意見を聞きたい」と言われることが多いんですよ。
原爆を2発も落とされて、地震や津波、原発事故など、“壊れる姿”を何回も見ているのに、日本はいつも協力し合って立ち上がっている。そんなふうに世界は見ています。その価値を守っていきたいですね。4年後も持続可能な社会でいられるよう「平和のために全力投球」でいいと思います。
一人一人の気づきが広がれば4年後は変わるかもしれない。頑張ってみたいなと思いました。
堀 潤
ほり・じゅん 1977年7月9日生まれ、兵庫県出身。元NHKアナウンサー。「8bitNews」主宰、株式会社わたしをことばにする研究所代表取締役副所長。TOKYO MX『堀潤 Live Junction』に出演中。著書に『災害とデマ』(集英社)など。
影山優佳
かげやま・ゆうか 2001年5月8日生まれ、東京都出身。2023年に日向坂46を卒業。最近の出演作にドラマ『シナントロープ』、『未来予測反省会』など。テレビ東京『バカリズムのちょっとバカりハカってみた!』、日本テレビ『ウェル美とネス子。』に出演中。