
人間の体を支える土台となる骨「背骨」。背骨のゆがみがコリや体調不良を引き起こすことも…。ゆがみのない美しい体を手に入れるべく、背骨を整える“背骨コンディショニング”を紹介します。
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教えてくれた方
Profile
日野秀彦
大手スポーツクラブのフィットネスディレクターとして様々な運動プログラムを開発し、その後、独立。トップアスリートの背骨矯正なども行う。著書に『ゆがみを整える 背骨コンディショニング』(日本文芸社)など。
背骨のゆがみが体調不良や痛みのもとに
「背骨は人間の体を支える要の骨ですが、デスクワークやスマホ操作による不良姿勢、運動不足による筋力低下などによって、現代人の多くは背骨がゆがんでいます。そのゆがみを正すために考案したのが“背骨コンディショニング”なんです」と話す、背骨矯正のスペシャリスト・日野秀彦さん。
「特に、骨盤を構成するパーツのひとつ・仙骨は上半身の重みを一点で受けていて、仙骨のズレが背骨のゆがみに繋がります。構造上、仙骨は前にズレることはありませんが、後ろにズレると、仙骨の上にある腰椎も後方変位し、バランスをとるために背中が丸まり、頭が前に出る、猫背の状態に。これを“代償姿勢”といいますが、仙骨のズレが他の部位にも支障をきたしてしまいます。仙骨の周辺には副交感神経が集まっているので、自律神経が乱れることも」

仙骨とは背骨の下部、骨盤の中央に位置する逆三角形の大きな骨のこと。上半身と下半身を繋ぐ唯一の骨であり、背骨の土台となっている。仙骨と左右の骨盤(腸骨)を繋ぐ仙腸関節は歩行時の衝撃を吸収し、二足歩行を支えている。
体の痛みや不調は、背骨のゆがみによる神経の伝導異常も要因。
「背骨には脳から続く脊髄が通り、末梢神経である脊髄神経はここから分かれて体の各部へと繋がります。その結果、例えば、仙骨が左に傾くと、右の神経が引っ張られて、右側の腰から足先に痛みやしびれが出たりする。このように神経が引っ張られて、伝導異常を起こし、不快な症状を招くことがあるのです」

頭蓋骨の真下から骨盤まで続く背骨。椎骨という骨が縦に連なったもので、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨で形成されている。背骨は“生理的弯曲”と呼ばれるゆるやかなカーブを描き、重い頭を支える筋肉の負担を和らげている。
全身に影響を及ぼす背骨のゆがみ。それを改善させるプログラム“背骨コンディショニング”の詳しいやり方は、以下をチェック。
CHECK LIST|体のゆがみをチェック!
✅ CHECK 1 ふくらはぎの内側と外側を押す

痛みがある方は…
仙骨や腰椎にゆがみがあるかも
両脚のすねの骨の内側と外側を、膝下からくるぶしまで、5か所ほどを親指で強めに押して、痛みがないかをチェック。骨格にゆがみがなければ痛みは感じないため、一か所でも痛みやハリを感じるようなら、腰椎や仙骨がゆがんで、坐骨神経に伝導異常を起こしている可能性が。
✅ CHECK 2 ひじの内側、鎖骨の上側を押す

痛みがある方は…
頸椎にゆがみがあるかも
ひじの中心点から1㎝ほど小指側を親指で強く押し、痛みがあれば頸椎にゆがみが。また人差し指で鎖骨の上を位置をズラしながら押していき、痛みの有無を確認。反対側も同様に行う。左側に痛みがあれば頸椎の右へのズレや左へのねじれ、両側に痛みがあれば後ろにズレている可能性大。
✅ CHECK 3 仙骨の横を押す

痛みがある方は…
仙骨や骨盤にゆがみがあるかも
両手を腰に当て、親指で骨盤の出っ張った骨を探す。その骨のすぐ外側を仙骨の上端の高さから少しずつ指を下に移動させながら押していき、痛みやハリがないかをチェック。痛みを感じた場合は、仙骨や骨盤にゆがみがあり、坐骨神経の伝導異常が起こっているサイン。
美骨格になるための背骨コンディショニング
背骨のズレや体のゆがみを整えるプログラム“背骨コンディショニング”の基本要素は「ゆるめる、矯正する、鍛える」の3つ。ここでは手軽に始められるエクササイズを3ステップ別に紹介。背骨を整えて、ゆがみのない美しい体を手に入れよう。
HOW TO
背骨のゆがみによって固まった関節の可動域を広げる=ゆるめる。ズレた背骨や関節のゆがみを正しい位置に戻す=矯正する。矯正した骨格が再びゆがまないように筋力をアップさせる=鍛える。ゆるめる(6種類)&矯正する(4種類)エクササイズは毎日、鍛える(2種類)トレーニングは週2回のペースで。運動回数はまずは10往復からでもOK。無理のない範囲で30往復を目安に行おう。
WORK 1|ゆるめる(毎日)
WORK 1-1:足まわし
足の重みを使って大きくまわすことで、仙骨と骨盤を繋ぐ仙腸関節の動きをよくし、硬くなった関節をゆるめることができる。力を抜いてゆっくりまわすのがポイント。

1. 膝を腰幅に広げてうつ伏せになり、顔を正面に向けてひじをつき、上体を起こす。膝を曲げ、足裏は天井に向ける。

2. 膝を中心にかかとで円を描くようにまわす。片足ずつ、内まわし・外まわしを各10(〜30)回ずつ行う。慣れてきたら両足を同時にまわしてOK。
WORK 1-2:坐骨神経ストレッチ
お尻から太ももの裏にかけて走る坐骨神経に働きかけ、痛みの原因となる神経の伝導異常の改善が期待できる。足の冷えやむくみの改善にも効果テキメン。

基本の姿勢/仰向けになって片方の足の裏にタオルをかけてクロスさせ、足を上げる。
WORK 1-3:上体倒し
仙腸関節や股関節をゆるめて、仙骨のねじれや股関節のゆがみを矯正。軽いめまいを起こす場合もあるので、クラッときたらすぐにストップ。

1. うつ伏せになり、両ひじを合わせてひじを立てる。正面を向き、片方の膝を90度曲げて外側に広げる。

2. ひじを中心にして上体を左右に倒す。肩を床につけるように、徐々に倒す範囲を広げる。10(〜30)往復したら、反対側の膝を曲げて同様に行う。
WORK 1-4:胸開き
胸をしっかり開くことで固まってしまった胸椎をゆるめることができる。胸を開く際、膝は閉じた状態で行う。肩だけを動かすのではなく、胸を大きく開くことを意識して。

1. 頭の下にクッションを入れて横向きに寝て、両膝を合わせて90度に曲げる。背筋を伸ばし、両手は手のひらを合わせて真っすぐ前に出す。

2. 顔は前を向いたまま、胸椎をねじるようにして上側の手を肩から後ろに開く。そのまま腕を後ろに倒して手の甲を床につけたら、元の姿勢に戻す。10(〜30)往復したら、反対側も同様に行う。
WORK 1-5:肩ゆるめ
硬くなった肩関節周辺をゆるめることで、肩まわりの動きがスムーズに。痛むときは無理に上げず、可能な範囲で行い、少しずつ可動域を広げていくのがオススメ。

基本の姿勢/右手で腋の下から左肩をつかみ、左腕を上にして右肩に乗せ、ひじを上下に重ねるようにして腕を組む。

1. 両ひじをつけたまま、できるだけひじを肩より高く上げ、下の腕で上の腕を押し上げるように動かす。上下に10(〜30 )往復したら、腕を組み替えて同様に行う。

2. 基本の姿勢に戻り、ひじで円を描くように時計回りにまわす。10(〜30)回まわしたら、上下の腕を組み替えて逆向きにまわす。
WORK 1-6:首ゆるめ
首を左右や上下に動かし、ゆがんで硬くなった首まわりの神経や頸椎の靱帯をゆるめることで、首の痛みや肩こりを軽減。テーブルの上や寝そべった状態で行うのも可。

基本の姿勢/うつ伏せに寝て、片手でこぶしをつくり、あごを乗せる。
WORK 2|矯正する(毎日)
WORK 2-1:仙骨整え
タオルと自分の体重を使ってエクササイズすることで、固まっている仙腸関節を効果的にゆるめ、仙骨のズレを矯正。骨盤を正しい位置に戻すことができる。

1. 仰向けに寝て、丸めたタオルを縦にして、お尻の中央に置く。両手は床に置き、足は腰幅に開いた状態で行う。

2. タオルに仙骨を押し込むようにしながら、腰を左右に10(〜30)往復揺らす。仙骨をおへそ側に押し込むように意識する。
WORK 2-2:腰椎整え
仙骨整え同様、タオルと自分の体重を使ってエクササイズすることで、固まっている腰椎をほぐして、ゆがみ矯正に。

1. 仰向けに寝て、丸めたタオルを腰の下に横向きにして置く。膝裏に手をかけて、両足を持ち上げる。

2. お尻を床から離し、膝を胸に近づけるように両足を上げ、上下に10(〜30)往復揺らす。痛みを感じるようなら無理に高く上げなくてもOK!
WORK 2-3:肩甲骨寄せ
肩甲骨を寄せる動きで、丸まった背骨を整え、頸椎を矯正。自律神経を整える効果も。

1. 両手を肩幅より広げて四つん這いになる。肩甲骨を思いっきり寄せた状態で、体を前後に10(〜30)回動かす。

2. 1と同様に肩甲骨を寄せたまま、体を10(〜30)回まわす。反対回りも同様に行う。
WORK 2-4:頸椎整え
後ろにズレた頸椎に働きかけて、正しい位置に頸椎を戻すエクササイズ。肩こりや猫背の予防や改善も期待できる。

1. 両手のこぶしを重ね、その上に、あごを乗せる。

2. 1の状態のまま、両ひじを斜め前に上げる。15回行ったらこぶしの上下を入れ替えて、同じように15回行う。
WORK 3|鍛える(週に2回)
WORK 3-1:バックキック
大臀筋を鍛えることで仙骨の位置が安定。重りは2L入りのペットボトルから始めて、徐々に重量を増やしていく。トレーニングとストレッチ1回を1セットとして、3セット続けて行う。

足首に、重り入りの袋を引っかけ、背中を丸めて椅子に手をつく。重り付きの足を後ろに引き上げ、3秒キープしたら元に戻す。左右の足を10回ずつ行う。

STRETCH/仰向けに寝て両膝を立て、片方の膝に反対側の足の外くるぶしをかけて脚を組む。下になった脚のもも裏に手をかけ、両手で胸に引き寄せ、30秒キープしたら、反対側も同様に行う。
WORK 3-2:バックエクステンション
背中やお尻、太ももの裏側など、体の背面全体を鍛えるトレーニング。脊柱起立筋を鍛えることで自律神経も整いストレス予防に。トレーニングとストレッチをセットで、3セット行う。

1. 腰の下にクッションを置いてうつ伏せになり、足首を固定した状態で、首に2Lのペットボトルなどの重りを乗せる。上体を反らして3秒キープ。

2. 次に、反らした上体を右にねじる。1と2を3回繰り返したら、左ねじりも同様に3回行う。

STRETCH/膝を軽く曲げ、両足を広げて座り、膝の外側に向かって体をひねり、20秒キープ。反対側も同じように行う。
ブルー衣装・ブラトップ ¥14,300 レギンス ¥19,800(共にシエルアスレチックス/アルコ TEL. 06-6563-7346)
写真・北尾渉 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・オルダーソン英鞠(LIGHT management) 取材、文・関川直子
anan 2517号(2026年10月28日発売)より




































