《ひまわり》や《星月夜》などの作品で知られる画家フィンセント・ファン・ゴッホ。うねるような筆使いと、鮮やかな彩色は彼のトレードマーク。わずか37年という短い生涯の中でも、彼は数多くの名作を残した。


多くの人々に衝撃を与えた、ゴッホの影響力に迫る。

1853年、オランダで牧師の父のもとに生まれたゴッホ。自身も伝道師を志したが、25歳で画家の道を歩み始める。’86年にパリに移り住むと、印象派や新印象派に影響を受け、色彩に富んだ作品を手がけるように。’88年に南仏アルルでポール・ゴーガンと生活を始めるが口論となり、激高したゴッホは自らの耳を切り落としてしまう。ゴーガンとの共同生活は破綻し、彼は近郊のサン=レミにある療養所に入院。’90年、精神科の治療を受けるため北フランスのオーヴェール=シュル=オワーズに移り住んで制作を続けるが、同年7月29日に自ら命を絶ってしまう。

衝撃に満ちたゴッホの作品や生涯は、後世の人に大きな影響を与えることとなった。日本でも明治末期以降、ゴッホの存在が社会や文化に大きなインパクトを与えている。

本展では、そうしたゴッホの影響に注目。彼が移り住んだ各地で描いた作品とともに、彼の影響を受けた作家たちを紹介。そのインパクトの大きさを検証する。明治から大正期にかけては、文芸誌『白樺』に傾倒した岸田劉生や、ゴッホの代名詞となった《向日葵》を模写した中村彝(つね)ら。現代では、セルフ・ポートレートで知られる森村泰昌、社会問題や世界の名作をテーマに制作を行う福田美蘭、ゴッホの母国オランダを拠点に活動する映像作家フィオナ・タンなど。各時代の第一線で活躍するアーティストの作品も鑑賞しながら、改めてゴッホの偉大さを実感できる内容だ。

ゴッホが亡くなって既に100年以上経った現在でも、彼の絵とその生き様に惚れ込む人は多い。なぜゴッホの影響力はこれほど大きいのだろうか。本展ではそんな疑問に、現代作家たちが自身の作品をもって答えてくれるに違いない。

絵画に生涯を捧げたゴッホのパッション

フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年、ポーラ美術館

フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年、ポーラ美術館

フィンセント・ファン・ゴッホ《草むら》1889年、ポーラ美術館

ゴッホの情熱に影響を受けた多くの芸術家たち。

中村彝《向日葵》1923年(大正12)、石橋財団アーティゾン美術館

福田美蘭《冬-供花》2012年(平成24)、豊田市美術館

フィオナ・タン《アセント》2016年、ベルナール・ビュフェ美術館

森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》2016年(平成28)、ポーラ美術館 copyright the artist, courtesy of ShugoArts

ゴッホ・インパクト―生成する情熱

Information

ポーラ美術館 展示室1、2、3 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 開催中~11月30日(日)9時~17時(入館は16時30分まで) 会期中無休 一般2200円ほか TEL:0460・84・2111

文・山田貴美子

anan 2450号(2025年6月11日発売)より
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